【知らないと危険!?】自転車保険の義務化が全国で進んでいます!!保険を選ぶ3つのポイント~「学んで防ぐ犯罪や交通違反の予防シリーズ」~
自転車保険の加入が義務づけられているのをご存じですか?
2015年以降、全国で着々と進んでいます。
「うちの子はまだ小さいから大丈夫だろう」
「少し転ぶくらいだろうから大丈夫」
「当たってしまっても謝れば大丈夫」
などと思っていたら大間違いです!!
自転車保険の加入義務化が進んでいる背景には、しっかりとした理由があるのです。
たかが自転車の事故だと思っていると、多額の賠償請求を支払わなければならない事例が多くあるのです!
後ほど詳しく数値を示しますが、ある調査では、自転車保険義務化について、半数以上の人が認知していないというデータが出ています。
筆者自身、元警察官として約18年勤務してきた中で、大きな事故に発展してしまった自転車事故を目の当たりにしてきました。
また、自転車保険の加入義務化地域に住んでおり、義務教育中の子供2人の子育て中でもあります。
そんな筆者の経験を踏まえ、今回は、「学んで防ぐ犯罪や交通違反の予防シリーズ」として、自転車保険加入義務化が進む背景と、保険を選ぶ際の3つのポイントを分かりやすく説明します!
是非、最後までご覧下さい!
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目次
自転車保険を選ぶ際の3つのポイント
自転車保険で加入しなければならないとされているのは、他人に怪我をさせてしまった場合、多額の賠償をしなければならないケースが後を絶たないためです。
万が一に備え、自転車保険に加入をしておきたいところです。
しかし、どの様な保険に入れば良いのか、保険額が心配など、悩みは多いことでしょう。
そこで、自転車保険を選ぶ際の3つのポイントを紹介します!
- 賠償金額の上限を確認する
自転車事故の被害に遭われた場合、中には1億円近い高額の賠償になるケースもあります。
高額賠償でも、被害に遭われた方に支払いが出来る様にしておきましょう。 - 家族分の補償も確認する
自転車に乗る可能性がある家族全員で加入出来るものを選びましょう。1人で加入するよりも、保険料が安くなるケースが殆どです。
内容を確認して加入しましょう。 - 重複保険が無いか確認する
自動車保険や火災保険などで対応出来るものもあります。「個人賠償責任特約」といういわゆる「個賠」と言われている特約です。
保険に入っている方は、1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
加入している保険があれば、「個賠」の補償内容に自転車保険が含まれていることもあります。二重に入ってしまい、無駄にならない様に確認しましょう。
何故、自転車保険加入の義務化が進んでいるのか
では、なぜ、自転車保険加入義務化が進んでいるのでしょうか。
国土交通省などの発表を基に、分かりやすく紹介します。
自転車保険加入義務化の背景
背景には、自転車事故によって、他人の命が危険にさらされたり、後遺症が残ったりという重大な事故があった場合に、加害者(自転車運転者)に数千万円という高額な損害賠償を命じられるケースが相次いでいることがあります。
国としては、国土交通省によって、「自転車活用推進本部」が2015年に設置され、各地方自治体に、自転車保険加入義務化を働きかけています。
【参考 :国土交通省ホームページ https://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/promotion/index.html】
自転車保険に加入していないとどうなるの?
現在(2022年6月16日現在)、各都道府県の条例により、義務化・努力義務・無しの3つに分かれています。
義務化であったとしても、条例違反にはなりますが、罰則は設けられていません。
しかし、条例違反であるため、刑事罰や民事上の措置が取られる可能性があります。
万が一、重大な事故を起こしてしまい、被害に遭われた方に支払いが出来なかった場合、加害者(自転車運転者)はお金の工面に困ってしまうばかりでなく、被害に遭われた方も、満足のいく治療を受けられず、お互いにとって経済的に困難な事態を招いてしまいます。
自転車利用者のマナーとして、まだ、義務化が進んでいない地域でも、自転車保険加入をおすすめします!
自転車保険加入義務化の現状
次に、自転車保険加入義務化の現状について説明します。
自転車保険加入義務化の都道府県
2022年4月1日現在、30都道府県で加入義務化、9県で努力義務化とされています。
2015年10月に兵庫県で導入されて以降、年々、義務化又は努力義務化の動きが広がっています。
【参考 :国土交通省ホームページ https://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/promotion/index.html】
自転車保険の認知度・加入率
2022年3月22日、au損害保険では、自転車保険に関する認知度や加入率調査(加入義務化地域を対象)を行いました。
その結果
- 自転車保険義務化について認知していない人は約50.6%と半数以上
- 認知しているが保険に加入していない人は18.7%
- 認知していない、なおかつ保険にも入っていない人は47.9%と約半数
という結果でした。
まだまだ認知度が低い傾向が数字として表れています。
自転車保険に加入しなければならない人はどんな人?
自転車保険加入義務化されている地域で、加入が義務とされているのは、「自転車を利用する人」です。
自転車を利用しなければ、加入が義務化されるわけではありません。
しかし、加入が義務化されている地域で自転車を利用する人であれば、住んでいる場所で無くても、加入が義務とされているので、注意が必要です。(旅行や通勤など、他県で利用する場合を想定)
また、未成年者の利用には、保護者が加入の義務者になります。お子様などが自転車利用される場合には、注意しましょう!
自転車事故のパターン
実際の自転車事故原因にはどの様な傾向があるのでしょうか。
警察庁のデータ(2020年データ)を調べてみました。
- 全交通事故のうち、自転車事故は21.9%、67,673件の発生と高水準
- 全体的な交通事故件数は減少傾向であるが、自転車事故は2017年以降増加傾向
- 自転車利用中の死者の内、未成年が27.1%、65歳以上が20.8%と高い傾向
- 自動車と自転車の事故が80.3%と最も高い
- 事故原因は出会い頭が52.7%と最も高い
- 自転車利用者に原因があるとされた割合は、自転車事故の内、20.7%と、約5件に1件の割合
- その内、最も多い事故原因は、安全不確認で24.2%、次いでハンドル操作不適切が11.6%となっている
といった傾向にあります。
【自転車事故件数と全事故件数の割合】
【年齢別死傷者数の割合】
【参考 :警察庁交通局https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bunseki/info.html】
自転車が原因とされる事故が約20.7%と聞いていかがでしょうか。
約5件に1件は、自転車に過失があるということです。思っているよりも多いのではないでしょうか。
特に、歩道で歩行者と自転車が事故を起こしてしまった場合は、自転車の過失が100%となる可能性が高いので、注意が必要です。
自転車も「車と一緒」ということを今一度、認識して安全運転を心がけることが必要です。
悲惨な自転車事故の事例
では、自転車事故には実際にどの様な事例があるのでしょうか。
自転車事故により、高額な賠償請求に至った事故事例を紹介します。
被害に遭われた方のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、ご遺族の心の回復、重傷を負った方の一刻も早い回復がされます様に、心より願っております。
自転車に乗った小学生と散歩中の女性の重傷事故
2013年7月 神戸地裁 賠償額 9,521万円
男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中にマウンテンバイクで坂道を20~30キロで爆走し、散歩中の女性(62歳)と正面衝突。意識不明の重傷を負わせた。(事故の原因が自転車の安全走行に対する児童への十分な指導をしていなかった保護者にあるとして、保護者に損害賠償を命じた。)
https://www.oka-ankyo.or.jp/knowledge/bikeaccident.html
【引用 :岡山県交通安全協会】
自転車の信号無視により、歩行者が死亡
2014年1月 東京地裁 賠償額 4,700万円
男性(46歳)が信号表示を無視して交差点に進入し、青信号で横断中の女性(75歳)と衝突。女性は頭部を強打し、5日後に死亡した。
https://www.oka-ankyo.or.jp/knowledge/bikeaccident.html
【引用 :岡山県交通安全協会】
高校生の自転車と会社員の自転車が衝突
2008年6月 東京地裁 賠償額 9,266万円
男子高校生が昼間、自転車横断帯かなり手前の歩道から車道を斜めに横断、自転車で対向車線を直進してきた24歳男性会社員と衝突した。男性会社員に言語機能の喪失などの重大な障害が残った。
https://www.egmkt.co.jp/column/consumer/20210730_EG_144.html
【引用 :エバーグリーンマーケティング株式会社】
無灯火、携帯操作の自転車と歩行者が衝突
2005年11月 横浜地裁 賠償額 5,000万円
夜間、無灯火の上、携帯電話を操作して片手運転の女子高校生(16歳)が、前方を歩行中の看護師女性(54歳)に追突。被害女性は手足に痺れが残って歩行困難になり失職した。
https://www.oka-ankyo.or.jp/knowledge/bikeaccident.html
【引用 :岡山県交通安全協会】
無灯火の自転車と歩行者が衝突し、死亡
2007年7月 大阪地裁 賠償額 3,000万円
歩道上で無灯火の 15 歳男性の自転車が歩行中の 62 歳男性と正面衝突し、歩行者の男性が死亡した。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk15/documents/kougakubaisyo.pdf
【引用 :兵庫県|自転車事故による高額賠償事例】
まとめ
いかがでしたでしょうか。
自転車はお子様から高齢な方まで利用する、便利な乗り物です。
しかし、事例を見てもお分かりのとおり、自転車も「車両」として扱われます。
事故を起こしてしまえば、過失割合など、自動車と変わらない扱いになるんです!
たかがチャリと思っていると痛い目に遭ってしまいます。
また、万が一被害に遭われた方にとっても、支払いが出来なければ、満足のいく治療が受けられないことに繋がります。
「知らなかった」では済まされないんです!!
筆者は、千葉県を拠点に活動している、元警察官です。
警察官として約18年勤務してまいりました。
千葉県でも、2022年7月1日から、自転車保険加入は義務化されますが、中々、加入を促進するお知らせが行き届いていないと感じています。
数字としても、上記で記載した様に、半数以上の人が、自転車保険義務化について認知していないのです。
何故、声を大にしてお知らせしないのか疑問に感じますが、筆者は、声を大にしてアナウンスしていきたいと思っています。
法改正の時にはいつも思うのですが、加入が義務であれば、もっとお知らせすべきです。
事前に防げるものは防ぎましょう!
是非、他人事と思わずに、自分の住んでいる地域は加入が義務化なのか、保険の加入状況はどうなのか、上記を参考に、確認してみて下さい。
筆者は、皆が安心して暮らせる社会に向けて、役立つ情報を今後も随時発信していきます!
【この記事を書いた人はこんな人です!是非、ご覧下さい!↓↓】
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