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【必読】高齢者虐待を防ぐ2つのポイント~少子高齢化で知っておくべきこと~

2022年4月26日

少子高齢化が進む昨今、外出すると、高齢者の方が多いと感じることはありませんか。

中には、

心配する人

「あのおばあちゃん、ヨロヨロしているけど大丈夫かな。
「明らかにパジャマっぽい姿で歩いている。」
ずっと座っているけど、大丈夫か。」
「店員さんが随分大きい声で話しているのに、聞こえないのかな。

などと感じることもありますよね。

筆者の周りでも、最近、

困る家族

「親父が夜中に歩き回る様になった。」
認知症っぽくなってきて、話すのが大変だ。」
「お袋がボヤ騒ぎを起こしてしまった。」
「同居の親の世話で、妻が疲れ切っている。」

などと、耳に入ってくることが増えました。
懸命に高齢者の方の世話をしている話の一方、

悩む家族

施設に入れたいけどお金がない。」
「施設が足りなくて入居できない。」
「このままでは介護で共倒れしてしまう。

といった悩みも聞こえてきます。

介護疲れから、万一、虐待に発展してしまっては、それこそ共倒れですよね。
誰も得をしません。

今後、益々、少子高齢化が進むと予想される社会の中で、

『高齢者の介護』

は、誰もが考えなければいけない時期が必ず来るものです。

そこで、元警察官として約18年勤務し、長年、年間約3,000件前後の相談を管理してきた筆者が、経験とリサーチ結果を基に、高齢者虐待を生まない2つのポイントをご紹介します。

また、筆者は実際に高齢者と呼ばれる世代と同居しているため、実体験としてもご紹介致します。

今後、誰もが必ず経験することです。不幸な結果を生まないために、備えておきましょう。

是非、最後までご覧頂ければ幸いです。

目次

高齢者虐待を防ぐ2つのポイント

筆者の経験とリサーチ結果から、高齢者虐待を防ぐための2つのポイントをまとめました。

2つのポイント
  1. 高齢者に対する正しい知識を身につける
  2. 介護は分担する

という2つのポイントです。

一見、当たり前の様に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが難しいのです。

高齢者の方は、人それぞれ特徴があります。
一例としましては、

  • 認知症気味になってくる
  • やたらと声が大きい
  • やたらと怒鳴る
  • 基礎疾患を持っている方も多い
  • 体の不自由な方も多い
  • 何度も同じことを聞く
  • 中々、話が理解出来ない

など、様々な特性があります。

きちんと特性を理解した上で、『高齢者の介護』にあたりましょう。

また、介護疲れを防ぐために、必ず複数人で分担して行いましょう。

そもそも高齢者虐待とは

高齢者虐待は、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」という、いわゆる「高齢者虐待防止法」によって定められています。

この法律に基づいてまとめると、

高齢者とは

65歳以上を高齢者としています。

高齢者虐待の種類

5種類に別れるとされています。

  • 身体的虐待
    高齢者に怪我を負わせる。または怪我をする可能性のある暴行を加えること。
  • 介護や世話の放棄・放任
    高齢者に食事を与えなかったり、長時間、放置したりする。また、同居人が暴行、暴言、拒絶、心にダメージを与えるなど、介護を怠ること。
  • 心理的虐待
    高齢者に暴言や拒絶的な対応や、心にダメージを与える言動をすること。
  • 性的虐待
    高齢者にわいせつな行為をしたり、させたりすること。
  • 経済的虐待
    高齢者の財産を不当に処分したり、不当に利益を受けたりすること。

【参考 :厚生労働省 Microsoft Word – 1 Ⅰ 高齢者虐待防止の基本 (mhlw.go.jp)
上記『高齢者虐待防止法』では、高齢者虐待を発見又は、怪しいと感じたら通報することが義務づけられています。
迷ったら、地域包括支援センターに相談しましょう。


高齢者虐待の現状

では、高齢者を巡る現状をご紹介致します。
現状は、厳しい状況にあります。
現状を知り、しっかりとした備えが必要です。

高齢者の人数

2020年時点で、日本の高齢者の人数は、3617万人、総人口の28.7%と、いずれも過去最多(最高)となっています。

1950年に4.9%だった高齢者は増加の一途をたどり、現在の日本の高齢者割合は、世界で1番高い割合となっています。

高齢者を取り巻く現状

2040年には、総人口の35.3%が高齢者になると予想されています。

少子高齢化が進行し、いまや『超高齢化社会』と言われています。

『超高齢化社会』になると……

  1. 年齢層の割合が崩れ、労働力が低下します。
  2. 労働力が低下すると、経済成長が遅れます。
  3. 経済成長に支障が起こると、医療や介護といった高齢者に必要不可欠な社会保障にも支障を来します。

介護問題以外にも、様々な問題が生まれてしまいます。

3人に1人以上が高齢者の時代が、もうすぐ来ます。

今のうちに、家族で「もし介護が必要になったら」ということを真剣に話し合う必要があるでしょう。

【参考 :統計局ホームページ/令和2年/統計トピックスNo.126 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-/1.高齢者の人口 (stat.go.jp)

高齢者虐待の件数

厚生労働省によると、2020年度の高齢者虐待は、17,281件で前年度比プラス353件と、過去最高を記録しています。
1番多い虐待は、「身体的虐待」であり、12,128件と全体の68.2%と、3件に2件は「身体的虐待」であったことがわかります。

虐待の要因として1番多いのは、「知識や技術に関する問題」でした。
290件で、全体の48.2%と、約半数の要因となりました。

【参考 :朝日新聞 家族らからの高齢者虐待 家族らからの高齢者虐待、1万7281件で過去最多に 20年度:朝日新聞デジタル (asahi.com)


高齢者虐待は何故生まれるのか

では、高齢者虐待は何故生まれるのでしょうか。
虐待には、5つの種類があるとされています。

  1. 介護負担蓄積型
    高齢者介護で、不慣れな負担の多きい世話を継続することで疲れてしまうと、先行きに希望が持てなくなります。
    不安や不満、疲労などのストレスの矛先を高齢者に向けてしまうことで起こります。
  2. 力関係逆転型
    高齢者の心身の衰えや介護をきっかけとして、それまでの力関係が逆転したと感じ、虐待行為にいたってしまいます。
    昔は厳しかった親や、夫婦関係の捻れから生まれています。
  3. 支配関係持続型
    高齢者が弱い立場に長期間に渡って置かれていると、心身の衰えにより、高齢者が支配されているという関係になってしまいます。
    介護している側の力関係が強くなり、何を言われても逆らえない心理状況に陥ってしまいます。
  4. 関係依存密着型
    元気で仲が良かった関係から、介護の関係になったことで関係が変わることによって、負担が生じ、虐待行為にいたってしまうものです。
    仲が良かった程、起こりやすくもあります。
  5. 精神的障害型
    高齢者か介護する側のどちらかが、何らかの依存や障害がある場合に起こります。
    介護の他に、アルコール依存や、パニック障害などの障害があると、より一層、介護が難しくなります。

調べていくと、元々の関係性が背景にあるケースが多いと感じました。
介護するという関係性へと変化した時、心境の変化に気をつけなければなりませんね。

また、介護を1人で抱え込むと、『介護うつ』という言葉があります。

1人で対応せず、また、周囲1人で対応させないことが大切です。


高齢者虐待の事例3選

では、実際の高齢者虐待にはどの様な事例があるのでしょうか。3つご紹介します。

川崎市老人ホーム転落死事件

2014年11月ころ、川崎市の老人ホームで、介護職員が入所者3人をベランダから投げ落とした事件。

老人ホーム3人転落死、元職員に死刑判決 横浜地裁:朝日新聞デジタル (asahi.com)

兵庫県明石市の高齢者住宅での虐待

2020年9月、兵庫県明石市の高齢者住宅で、元サービス職員が、入居者の80代男性に暴行。一晩で40回以上殴る蹴るなどしていたことが判明した。

一晩で40回以上、殴る蹴るを繰り返していた 高齢者向け住宅の虐待で市の調査チーム|総合|神戸新聞NEXT (kobe-np.co.jp)

熊本市老人ホームでの虐待

2021年7月7日、元入所者の女性の次男が暴行の告発状を提出したことで発覚。老人ホームに入所中、職員だった男女4人から、車椅子をぶつけられたり、首と腕をつかんでベッドに移動させられたりする暴行を受けた。

「老人ホームで虐待被害」隠しカメラで発覚、家族が告発:朝日新聞デジタル (asahi.com)

どれも見るに耐えない悲惨な事件です。 

プロの介護職員でも、精神的に追い詰められている様子もうかがえます。

介護に慣れていない一般の方が介護をしなければならない場合、やはり知識を身に付けておく必要があるでしょう。

また、どれも事件になってしまっているのは、対応が1人だからです。
共同作業が出来ていれば、防げる事件もあったのではないでしょうか。

まとめ

高齢化社会は何年も前から言われており、すぐに解決出来ない問題です。
しかし、高齢者虐待は、1人1人の意識で防ぐことのできる問題です。

1人1人が自分の家庭環境に真剣に向き合い、正しい知識を得ることで、不幸な虐待は必ず防げます。

「誰かがやってくれるだろう」と考えてはいけません。
「自分は施設に入るから関係ない」ではありません。

例え施設に入っても、誰かが必ず介護するんです。

いずれ、自分が介護されるかもしれないという現実を考え、真剣に家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

悲しい虐待が少しでも無くなる様に。

筆者は、努力する全国の皆様を全力で応援しています。

【この記事を書いた人はこんな人です!是非、ご覧下さい!↓↓】