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【実体験】運転免許の優良講習オンライン化メリットデメリット3選~試行運用やってみた!~

2022年6月1日


運転免許証の更新について、制度が変わってきていることや、政府が2024年度以降に目標としているマイナンバーカードとの一体化をご存じですか?

免許の更新は、数年に1回のイベントですが、
「待ち時間が長い!」
「免許センターに行くと長蛇の列」
「警察署に行くと、何回も行かないといけない」

といったデメリットを感じている方も多いでしょう。

しかし、昨年末、警察庁から、「令和4年2月1日から、運転免許の優良者講習をオンライン化する」といった発表がされました。
ご存じの方は、少ないのでは無いでしょうか。

ひとまずは、4道府県で試行運用を実施し、2024年度末から全国で実施を目指すとのことです。

では、実際に、優良講習がオンライン化することで、どの様なメリットやデメリットがあるのでしょうか。

ここでは、試行運用のモデルとなっている千葉県に住む筆者が、実際にオンライン講習を受けて更新をしてみました!

その実体験や、元警察官として年間約3,000件前後の相談を長年管理してきた筆者が、実体験と経験を基に、運転免許優良講習オンライン化のメリットデメリット3選や今後の課題についてまとめました。
今後、全国に適用されてくる制度であるため、是非、最後までご覧頂ければ幸いです。

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【関連記事 :高齢者の免許更新については、令和4年5月から変わっています。高齢者の免許更新については、こちらをご確認下さい!↓↓】

目次

オンライン講習のメリットデメリット3選

では、実際にオンライン講習制度を受けてみて見えたメリット、デメリット3選をご紹介します。

オンライン講習のメリット

まず、実際に講習を受けてみて感じたメリットについてご紹介致します。

  1. 講習待ち時間が短縮される
    今までは、免許センターなどで順番待ちをしていた印象が強いですが、待つことなく受講できます。
  2. 免許センターや警察署への行き来の回数が減る
    特に警察署で更新をすると、免許を受け取るまでに3回程度行き来をしなければなりませんでしたが、行き来の回数が減ります。
  3. 好きな時間に講習を受けられる
    24時間、スキマ時間に好きな時間に受講出来ます。

といった様に、特に時間短縮の面でメリットを感じました。

オンライン講習のデメリット

続いて、デメリットについてご紹介致します。

  1. カードリーダーが必要
  2. 講習のみのため、結局は免許センターや警察署へ行かなければならない
  3. 優良講習に限られる

講習をオンラインで受けても、結局は免許センターや警察署に行かなければならないことや、準備、限られた人への講習という面で、デメリットを感じました。


オンライン講習制度って?

では、そもそもオンライン講習の制度についてご説明致します。

昨年末、警察庁から発表された制度です、
趣旨としましては、以下のとおりです。

  • 令和4年2月1日から、北海道・千葉・京都・山口の4道府県をモデルとした運転免許の優良講習をオンラインにする制度
  • 免許センターや警察署の混雑緩和を目的とする
  • 2024年度以降、全国で適用予定
  • 対象者は、70歳未満の優良運転手(5年間無事故無違反)
  • マイナンバーカードを端末で読み込み、30分程度の講習をオンラインで受ける
  • 今後、マイナンバーと運転免許が一体化することも検討

といった内容です。

背景には、マイナンバーカードの普及率が4割程度と伸び悩んでいる現状もあるようです。
【参考 :ITmediaNEWS https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2112/10/news066.html


実際にオンライン講習制度を受けてみて

では、実際にオンライン講習を受けてみた状況をご紹介致します。

オンライン講習必要なもの】

受講するには、以下の物が必要です。事前に準備しましょう。

  • 免許更新のお知らせはがき
  • PC又はスマートフォン
  • マイナンバーカード
  • PCの場合はカードリーダー、スマートフォンの場合は、マイナンバーカード読み込み可能なスマートフォン

といったものが必要となります。

【オンライン講習の流れ】

では、実際に受けてみた流れについてご説明致します。

まず、免許更新のお知らせはがきに記載の各道府県警察のHPにアクセスします。
すると、免許更新の欄があるので、アクセスして、オンライン講習を受けます。

次に、更新手続きをクリックします。

「オンライン講習受講を希望される方」をクリックします。

注意事項などが出ますので、中程にある「オンライン更新時講習のモデル事業に参加」をクリックします。

オンライン優良運転者講習モデル事業専用画面に移るので、真ん中のハンドルボタンをクリックします。

マイナンバーカードとカードリーダーを用意した上で、「読み取りを開始する」をクリックします。

今回、筆者はこんな形のカードリーダーを用意しました。
差し込むタイプのものです。

カードリーダーは、タッチ用と差し込み用がありますが、使用頻度が高くなければ、差し込み用の方が安価ですし、十分使えます。

クリニックすると、マイナンバーカード読み込み画面に飛ぶので、読み込みを開始します。

後は、暗証番号や、免許証の番号入力画面に従うと、受講することができます。

講習を24時間いつでも受けることができます。
講習時間は30分程度です。
途中で、3回写真撮影画面になるので、顔認証が出来る程度の状態にしておきましょう。
注意としては、オンライン講習で写真を撮られますが、免許用の写真では無いということです。
申請には、免許センターや警察署に写真が必要になります。

また、途中で2択問題が3問出題されます。
講習としては以上で、非常に簡単です。

しかし、実際に受けて感じたのは、
PCが無い方や、スマートフォンでも読み取りが出来ないものもあるため、普及は難しいのではないかと感じました。

オンライン講習制度の今後の課題3

今回、オンライン講習を受け、実際に感じたことや、元警察官という筆者の視点から、今後の課題について3点考察しました。

中途半端なオンライン化

実際に受講して感じたのは、結局は免許センターや警察署へ足を運ばなければならないという、中途半端なオンライン化ということを強く感じました。

優良運転手への特典という意味合いで始めるのであれば、警察署へ足を運ばなくても可能になる程度の特典が無いと、PCなどに不慣れな方は、結局、利用しないのではないでしょうか。

メリットとした、大きなものは、待ち時間の短縮でしょう。

実際に、筆者は更新の度に、免許センターに足を運んでいましたが、長蛇の列で、早めに並んでも、講習を受けるために2時間程度待つ印象がありました。

しかし、オンライン講習を受けることで、自宅でPC操作時間を合わせても1時間かからない程度で終了しました。

その後、最寄りの警察署で検査を受けて終了したため、時間短縮という面では非常に有効と感じました。

メリットがある分、制度を定着させるには、中途半端にならず、思い切ったオンライン化が必要になると感じます。

優良運転手のみの対応であること

今回の制度では、優良運転手のみが対象であるため、実際に、違反や事故があると受けることが出来ず、従来どおりになります。

しかし、運転をしていれば、違反や事故はつきものです。例えば、いわゆる職業運転手の方は、運転する時間も距離も長くなり、その分、予期せぬ違反や事故に遭遇する機会も多くなります。

そのため、案に、優良運転手だけを分けるのではなく、本当の意味で講習を大切に受けてもらいたいのであれば、直接的に重大な事故に起因しやすい違反が多いドライバーの方向けの講習を実施するなど、明確な基準を設けてオンライン講習と直接講習に分けた方が、有効的であると感じました。

PCなどに不慣れな方に優しくない制度

筆者は仕事柄、PC操作は慣れていますが、PCなどに不慣れな方にはなじみがなく、浸透しないのではないかと思いました。

年に1回使うかどうかという頻度の方が、果たしてカードリーダーを購入して講習を受けるのかと考えると、おそらく購入しないでしょう。

本気で制度を導入するのであれば、各自治体でカードリーダーの貸し出しを行ったり、免許更新用PCを整備して貸し出したりなど、環境整備を行ってから制度を導入すべきであると感じています。

制度ばかりが先走り、利用者が少ない制度を始めてしまえば、現在のマイナンバーカードの様に、浸透するまで時間のかかるものとなってしまうのではないでしょうか。


まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回、実際にオンライン講習を受けてみて、時間の短縮という面では非常に有効であると感じました。

しかし、上記にも記載したように、課題は多い制度です。
また、新しい制度が始まると、毎回感じるのが、広報活動の不徹底です。

筆者で言えば、モデルケースの県に居住しているにもかかわらず、筆者の周囲の方は、この制度を誰も知りませんでした。

制度は、法律で決まります。
法律は、国民を守るためのものです。
詳しく知る必要は無くても、知らない人が多い制度は意味がありません。
新しい試みは、しっかりとした広報と、始める前の準備が重要なのではないでしょうか。

筆者は今後も、有益な情報を随時発信していきます!

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